仮面ライダーウィザード第三十三話

平成「仮面ライダー」第十四作「仮面ライダーウィザード」。
第三十三話「金で買えないモノ」。
幽霊のようなファントムのボギーは、ゲートの人々六名に憑りついて幸運と不運を自在に操ってはいたが、言動や性格までも操っていたわけではない。そうである以上、仁藤攻介(永瀬匡)の古い親友である土屋真隆(松澤傑)が仁藤攻介の助言を退けたばかりか、この親友を裏切る挙にまでも出たのは、ボギーの起こした幸運に溺れた結果ではあるにしても決してボギーに操られた結果ではない。
仁藤攻介は見た目の通り、期待通り、どこまでも友情に厚く熱い男子だったが、その友情を分かち合っていたはずの土屋真隆は必ずしもそうではなかったと知らなければならない。その意味で今朝の話の結末を素直に受け止めることは難しい。
ともあれ、ウィザード=操真晴人(白石隼也)が分裂したボギー六体中の一体を退治してゲートの人一人を救出したあと、ウィザードの力を四倍化して四体のウィザードを出現させて、それぞれで各一体のボギーを退治している間、残る一体のボギーには、親友を救出すべくビースト=仁藤攻介が対峙していたのは面白い構図だった。ウィザードは主人公としてその力を存分に発揮しつつ、ビーストは熱血漢である仁藤攻介の魅力を存分に見せることができたからだ。