JJL/18/時間旅行論

BSスカパー!の番組「JJL」を録画したDVD十二枚を昨年夏八月に頂戴していた内の一枚の、第十八回を視聴。
第十八回は平成二十四年(2012)二月五日放送分。
前回に続いて飴細工の後篇。佐藤勝利も上手かったが、倉本郁は際立っていた。マリウス葉は奇想に走って謎の形を増産していたが、技はあったに違いない。中島健人の造った豚は愛らしかった。松島聡神宮寺勇太の悪戦苦闘も面白かった。このように形を作る対決はそれぞれの思考や感覚も垣間見えて楽しめる。歌ではルイス・ジェシー森本慎太郎の顔立が良かった。
討論は、過去と未来の何れに行きたいか?について。これは、行先に手を加えるのか?それとも行先で得た情報で現在に手を加えるのか?それとも単に観光するに留めるのか?の別によって意見を変えざるを得なくなる問題でもあり、そこを整理しないことに起因する混乱が最後まで解決されなかったが、その分、色々な意見が聴けた。未来旅行派の倉本郁は、過去へ行けば過去に何等かの影響を及ぼす恐れあり、影響は拡大して現在を全く別の姿に変える恐れもあると考え、現在の仲間に親しみを感じている立場から過去旅行を拒否した。これは見事な意見だった。他方、過去旅行派のマリウス派は、恐竜の真実の姿を見たいから過去旅行派を支持していると述べた。これも肯ける。しかし未来旅行派の松島聡は、そうして過去の真実を知れば現在に流通している学説や常識に対立せざるを得なくなる可能性もあると指摘した。なるほど、新学説の樹立に繋がれば良いが、むしろ変人扱いをされる恐れもあるわけで、これも鋭い指摘であると思う。最も無難だったのは過去旅行派の高橋颯の、予約録画に失敗したテレヴィ番組を見るために過去へ行きたいという主張だろう。これは現在にも未来にも何等の好影響も悪影響も及ぼさない可能性が極めて高い。