仮面ライダーウィザード第四十二話

平成「仮面ライダー」第十四作「仮面ライダーウィザード」。
第四十二話「指輪の小説家」。
白い魔法使い=笛木奏(池田成志)が何事か目的のためには手段を選ばず悪事をも辞さない人物であり、味方であるよりはむしろ敵であることは、前回の話で殆ど確定した。今回のウィザード=操真晴人(白石隼也)、ビースト=仁藤攻介(永瀬匡)、メイジ=稲森真由(中山絵梨奈)それぞれの行動は、前回のこの結論を受けた選択だった。
仁藤攻介は、新たな魔法使い候補として白い魔法使いに拉致された飯島譲(相馬眞大)を救出するため、白い魔法使いを探し出して対決すべく立ち上がり、それを知った稲森真由も、真相を知りたいと願い、仁藤攻介に助力を申し出た。両名の颯爽とした行動とは異なっていたのが主人公の操真晴人で、彼は白い魔法使いと思われる何者かによって拉致された国家安全局〇課の木崎警視(川野直輝)の捜索を、警視庁の大門凜子(高山侑子)に任せて、自身は自宅「面影堂」で待機していた。なぜか。新たなファントムの出現に備えたのだろうか。確かに待機し始めた直後に手品師ファントムの楠田スフィンクス顔田顔彦)が出現したのだ。
大仕事を仁藤攻介や大門凛子に任せて自身は日常の通常業務に専念しているかにも見える操真晴人の、大切であるにもかかわらず「ヒーロー」としては冴えなく見えなくもない選択は、重大な事実へ接近することにつながった。
なぜなら今回のゲートである五木寛之似の人気小説家、西園寺雅文(須永慶)の過去の苦難の時に生きる希望を与えてくれた「湖畔の天使」こそが、コヨミ(奥仲麻琴)の正体であるのかもしれないからだ。
仁藤攻介と稲森真由と大門凛子が三人で語り合い、白い魔法使いが味方ではなく敵であるとの結論に達したとき、その様子を遠くから見ていたソラ(前山剛久)は、いかにも意を得たような嬉しそうな表情で三人に「ハロー!」と声をかけた。
これに先立つ場面ではソラは、国家安全局〇課で木崎警視の執務室で大門凛子が木崎警視の失踪について調べている様子を窓の外から眺めながら、首をかしげたようだった。白い魔法使いによるこの重大事件がウィザード=操真晴人を動かさなかった事実に不満を感じたのだろうか。だからこそ、飯島譲少年の事件と木崎警視の事件に対して仁藤攻介が怒りを爆発させた様子を見たとき、ソラは嬉しくなったのだろう。ソラは三人に対して助力を申し出た。白い魔法使いの居場所を教えると云った。
どうしてソラは白い魔法使いの居場所を知っているのか。予てワイズマン(声:古川登志夫)の知る全てを知りたいと願望し、謎の解明のために行動してきたソラは、今や白い魔法使いをも狙っているのだろうか。