新番組/ぴんとこな第一話

今宵からの新番組。
木曜ドラマ9ぴんとこな」。第一話。
途中から、しかも所々しか見ていないが、劇中の歌舞伎の出来を問わなければ面白かった。歌舞伎にしても落語にしても、玄人と素人の差が歴然としてしまうものを素人に演じさせるテレヴィドラマを制作してしまおうという大胆な発想には、いつも驚かされざるを得ない。
主人公は歌舞伎の名門の御曹司である河村恭之助(玉森裕太)だが、ライヴァルの澤山一弥(中山優馬)は歌舞伎とは無縁な家に生まれながらも人並み外れた努力と才能と容姿によって目覚ましく頭角を現してきた人物。普通のテレヴィドラマであれば澤山一弥を主人公にしても良さそうに思えるが、配役を考えると、中山優馬は主人公よりもライヴァル役で輝くように見えるので、これで丁度よいに違いない。
河村恭之助、本名は河村猛と、澤山一矢、本名は本郷弘樹との間の、千葉あやめ(川島海荷)をめぐる三角関係が物語の柱であるようだが、ここに面白い形で絡んでいるように見えるのが坂本春彦(ルイス・ジェシー改めジェシー)。彼は杏星学園高等学校における河村恭之助の友人だが、「恭ちゃん」を愛するあまり千葉あやめに嫉妬しているらしい。
坂本春彦にはもう一つ重要な役割があるらしい。彼は歌舞伎の公演の際、河村家の家政婦のミタである三田シズ(江波杏子)と一緒に鑑賞し、わからないことを一々解説してもらうことで、歌舞伎に明るくない視聴者のための案内役ともなるようなのだ。