ぴんとこな第四話

木曜ドラマ9ぴんとこな」。第四話。
歌舞伎の名門の御曹司である河村恭之助(玉森裕太)と、普通の家に生まれ育ちながらも執念と努力によって台頭してきた澤山一弥(中山優馬)との間の、明と暗、光と陰の対比が、殆ど乗り越えがたい程にまで強さを増している。
河村恭之助自身が陽気で豪快で「いい人」で、いつでも悔いがないように全力で生きているのに加えて、河村家の家政婦のミタである三田シズ(江波杏子)は、貫録ある外見に反して楽しい人であるし、「木嶋屋」河村世左衛門(岸谷五朗)の弟子であり河村恭之助の付人でもあるヤス(清水優)は、河村恭之助に振り回されながらも河村恭之助の奮闘も苦悩も知り尽くして惚れ込んで、どこまでも付いて来ている。
杏星学園高等学校における河村恭之助の友人である坂本春彦(ルイス・ジェシー改めジェシー)も、内心では「恭ちゃん」の片想いの相手である千葉あやめ(川島海荷)に一寸嫉妬しているのかもしれないが、千葉あやめに対する「恭ちゃん」の恋を応援するため、色々な手を打ってくれている。そもそも彼が夏の学校行事として開催される海辺の「勉強合宿」の実行委員に就任したのも、「恭ちゃん」の恋を応援するためではなかったろうか?とさえ想像される。
それに対して、澤山一弥こと本郷弘樹は今回そもそも色々あって落ち込んでしまうような事情があったとはいえ、師の「轟屋」澤山咲五郎(榎木孝明)は感情を表に出さないし、令嬢の澤山優奈(吉倉あおい)は、殆ど彼のストーカーのようになっているし、同門で彼に境遇の近い澤山梢平(松村北斗)は、物凄く意地悪な陰謀家で、彼を追い落とすための機会を狙っている。身近な場所に味方がいない。
そうした中で佐賀田完二郎(山本耕史)が澤山一弥の苦悩を見抜いて、派手に激励してみせたのは唯一の救いだった。両名が寄ったバーのマスターを演じたのは尾上松也であることが、番組公式サイトに書いてある。
ところで、坂本春彦は、夏の海辺の「勉強合宿」の間、宿泊施設内の河村恭之助のための豪勢な宿泊室ではパソコンを操作していたし、「恭ちゃん」の恋路の支援のため女子連を動員する活躍も見せたが、甚だ不可解にも、そして惜しいことにも、河村恭之助が千葉あやめをはじめ女子連と浜辺で大いに遊んでいた場面に、彼の姿が見当たらなかった。同い年の谷山駿(佐藤勝利)は先週「サマーヌード」で走り回っていたというのに。どこへ行っていたのだろうか。