仮面ライダードライブ第四話

平成「仮面ライダー」第十六作「仮面ライダードライブ」。
第四話「誇り高き追跡者はなにを思うのか」。
仮面ライダードライブの武器でありベルトさん(声:クリス・ペプラー)の手足であるミニカー型の小さなロボット。シフトカーと呼ばれる。先週の第三話で姿を現したシフトカーのドリームベガスの、ディメンションキャブに対する関係は、警視庁特状課巡査の泊進ノ介(竹内涼真)の、かつて相棒だった早瀬明(滝口幸弘)に対する関係によく似ていた。しかしディメンションキャブが新たな力を得て復帰したのとは異なり、半年前の捜査中の負傷に伴って警察官を辞した早瀬明が復帰してくることはない。代わって泊進ノ介との間に盤石の信頼関係を築き得たのが、現在の同僚の一人である詩島霧子(内田理央)だった。
大いに見応えがあって面白かった第三話と第四話の話の中で唯一気にかかる点は、早瀬明から詩島霧子への相棒の交代が余りにも自然に進行してしまい、泊進ノ介とドリームベガスとの間の大きな違いが覆い隠されてしまったところにあったと云えるかもしれない。
アヴァンギャルド芸術家を自称する「三流芸術家」、ペイントのロイミュードの浅矢一広(ルー大柴)は恐ろしかった。人間の身体を虹色の糸の束のような「データ」に変換してカンヴァスに封印するという技それ自体が不気味だが、実際に、身体が手の先から順に糸の束に変化しながら消えてゆく像というのが、見るからに気持ち悪かった。浅矢一広の陽気な言動が、ますます恐ろしさを深めた。面白かったのは、ペイントのロイミュードに姿形を乗っ取られてしまった本来の浅矢一広が他の被害者と同じくカンヴァスに封印されていて、事件の解決後、カンヴァスからは解放されたものの、警察から事情を聴かされて困り果てていたこと。
ペイントのロイミュードの不気味な行動は、ロイミュード幹部衆の中でも流石に問題視されていた。首領ハート(蕨野友也)は大目に見てやろうとしていたようだが、ブレン(松島庄汰)は厳しく糾弾しようとしていた。クラッシュ(安田大サーカスHIRO)も不満を表明。そこで死神チェイス上遠野太洸)が懲罰のため出動していたが、魔進チェイサーはロイミュードを懲らしめるだけで、消滅させるわけではなかった。
チェイスの変身体である魔進チェイサーは、ベルトさんによれば、ドライブのプロトタイプを参照して開発されたものであると見られるらしい。第三話でも示唆されていた魔進チェイサーと仮面ライダーとの近似性は今回こうしてさらに強調されたと見ることができる。