旅行記二/夜間開館の国宝展

旅行記二。
朝七時までに起きて、八時前にホテル一階の食堂で朝食。準備を整えて九時頃に外出。茅場町駅から上野方面へ向かう日比谷線は意外に空いていて余裕で座り得た。今日の仕事場には少し早目に到着。最も緊張する仕事があったが、意外に無事だった。仕事の関係者と昼食。
完了後の夕方、少しだけ時間の余裕ができたので、急ぎ乃木坂駅へ。国立新美術館で今週末まで開催されている改組第一回日展を微かにでも見物すべく、招待券で会場内を駆け抜けた。第三科(彫刻)で最も良かったのは田丸稔(新審査員)の《叙事詩の男と馬》。高野眞吾(委員)の《プロメテウスの火》、丹羽俊揮の《Je Crois》も良かった。短い滞在時間で直ぐに美術館を出て、日比谷駅を経て上野駅へ急ぎ、上野恩賜公園へ。
東京国立博物館の平成館で今週末まで開催されている「日本国宝展」は、空前の大好評に因る大混雑を少しでも緩和すべく夜八時まで臨時夜間開館を実施している由であるから、これを活用して少しでも見物すべく夜間に入館。券売機の場所が暗かった。雨のゆえか、幸いにも行列は解消し、予想した程の混雑もなく、時間には余裕がなかったが、概ね余裕で鑑賞することを得た。平成館一階の企画展示室で開催されている「国宝再現―田中親美と模写の世界」には、蜷川式胤が遠藤貫周(伊予松山藩御用絵師遠藤広実の次男)に模写させた東山御物「宮女図」も出ていた。本館の展示を観照する時間はなかったが、一応、一階の歴史資料室と近代美術室と、二階を駆け抜けた。書画展開室には明和南宗画帖。しかし伊予大洲藩主加藤家の出身である加藤文麗の絵の場面は出ていなかった模様。閉館時間に博物館を出て、上野駅に近い天丼店で夕食。日比谷駅を経て茅場町へ戻り、九時二十分頃にはホテルへ帰着。慌ただしい日だった。