怪盗ジョーカー第十六話における原作そのままの絵

テレヴィアニメ「怪盗ジョーカー」の、次回(来る月曜日)放送される第三十八話「決戦!怪盗サバイバル前編」には久し振りにラッキーピラミッドが登場する(ただし予告編を見る限り声が違う?)ようであるので、このところ第十六話「世界で一番幸運な怪盗」を見直している。
これを原作の小学館てんとう虫コロコロコミックス『怪盗ジョーカー』第十六巻の「世界で一番幸運な怪盗」と比較してみると、色々追加された部分や変更された部分もあるが、全体としては原作の話と絵を見事に再現していることに驚かされる。例えば、ジョーカーとハチがマンホールに落ちたときの格好は、原作の絵がそのままテレヴィアニメで再現されている。ラッキーピラミッドの城館にある宝物庫でラッキーピラミッドとジョーカーが繰り広げた「アホな戦い」に呆れるハチの横顔も、原作の絵そのままにテレヴィアニメ化されている。ジョーカーがラッキーピラミッドの城館を爆破したときの悪魔のような表情や、ラッキーピラミッドから「悪魔か」と責められるときの満面の笑顔も、原作の絵そのまま。
この話については、小学館てんとう虫コミックススペシャル『怪盗ジョーカーミラクルファンBOOK』の「脚本家座談会」(62-63頁)に興味深い証言がある。この話の脚本を担当した福島直浩は、「バタフライエフェクト」の解説の場面に台詞を一言も記さず、ト書きだけを記していたにもかかわらず、解説役のシルバーハートを演じる声優の島田敏が全登場人物の台詞を入れて演じてしまったらしい(63頁)。あの「アテレコ全部わし!」という箇所から全てアドリブだったと判明する。