SAOコミカライズ版フェアリイ・ダンス第三巻

葉月翼作画/川原礫原作/abecキャラクターデザイン『ソードアート・オンライン フェアリイ・ダンス』(KADOKAWA電撃コミックス)。
第三巻。アルヴヘイム・オンライン(ALO)の世界にキリトが来たのは、あくまでもアスナを救い出すため。アスナを現実世界へ連れ戻すことによって、SAOにおける戦いを本当の意味で終わらせるため。この目的のため孤独な戦いを続けようとしていたキリトを常に助けてくれたのは、リーファ
しかし、リーファは、キリトが実は桐ヶ谷和人であることをついに察し、キリトも、リーファが実は桐ヶ谷直葉であることを知らされた。現実世界で失恋を自覚させられた直後のリーファにとって、この真相は、仮想の世界でも同じく同じ相手に失恋していたことを自覚させられる事実に他ならなかった。
設定だけ見るなら無茶苦茶な話ではあるが、テレヴィアニメでもコミカライズ版でも、綺麗な物語絵を通じて時間の流れの中で追ってゆけば、なかなかに悲しい話ではある。
アスナリーファリズベットシリカ、さらにはサクヤとアリシャをも(それどころかクライン、エギルヒースクリフのような同性までも)魅了するキリトの凄さも感じるが、物語が雄弁に伝えるのはむしろアスナの魅力の深さ。アスナリーファも、リズベットシリカも、のちに登場するシノンも、それぞれ独自の物語を背負っていて、そのことがSAO物語集を豊かにしている。まるで源氏物語のようではないか・・・と云えなくもない。