不機嫌なジーン

昼の「笑っていいとも」で香取慎吾が異様に面白かった。「新選組!」から解放されて気が楽になったのだろうか。やはりNHK大河ドラマ主演は彼には重荷だったのだろうか。今日の「ブラック香取慎吾」路線は成功だと思われた。さりげなく「Mの悲劇」の宣伝にも努めていた。
フジテレビ「月九」ドラマ「不機嫌なジーン」。第二話。竹内結子主演。
恋に落ちたとき人が己の魅力を見失いがちであるのは何故だろうか。このドラマの主人公、仁子(竹内結子)は幼少から虫を愛して今は大学で虫の研究に没頭している。テントウムシオ=健一(黄川田将也)が仁子と出会ったとき仁子は既に虫好きの人であり、そんな仁子に彼は興味を抱き、愛を抱いているのだから、彼にとって、デイトの間にも仁子が虫を見つけては捕まえてしまう習性であることなどはもとより分かり切ったことで、仁子という人物の魅力の一部でこそあれ欠点ではあり得ない。そのことをもし欠点と感じるようであれば、そもそも仁子との恋など不可能であるはずだ。それなのに仁子は、健一とのデイト中に虫を捕まえてしまったあと、この行為をデイト中の女子には相応しくないものであると感じ、後悔したのだ。恋に落ちたとき人が己を見失いがちであるという一般的な法則性を上手く表現した場面のつもりだったわけだろうが、どういうわけか余り上手い表現とは思えなかったばかりか、唐突な挿入にさえ感じられた。演出を手がけたのは第一話も第二話もともにフジテレビの実力派で「踊る大捜査線」の演出家の一員だった澤田鎌作だが、問題は脚本があのような描写を唐突に挿入したことにあるのだろう。