H2・君といた日々

TBS系ドラマ「H2・君といた日々」。あだち充原作。今井夏木演出。山田孝之主演。第七話。
敗北の話は悲しい。甲子園で惜敗したと決まった直後の国見比呂(山田孝之)の茫然自失は彼の動揺の大きさをよく表していた。真に悲しいとき、直面する悲しい事実それ自体を容易には受け入れ得ないものなのだ。ことに今回の場合、比呂の調子は最高潮で、本来なら負けるはずがないと思われただけに無念の念が深かったろう。対する勝者、伊羽商業高等学校の野球部のピッチャー月形(林剛史)も、自分の手を踏み付けないよう避けてくれたことで比呂が足を傷めた結果、有利に戦いを進めて勝利を獲たわけだから何とも後味が悪かったようだ。彼は比呂に憧れていただけに、比呂が実力を出し切れなかったことを悔しく思ったに相違ない。
この敗北の日の前夜、千川高等学校野球部は甲子園球場に近い宿舎の宴会場で賑やかに夕食を摂っていた。島オサム(中村友也)と大竹文雄弓削智久)と佐川周二(北条隆博)が仲良く並んで座していて、佐川周二は大竹文雄の分まで食おうとしていた。そして敗北のあとの午後、橘英雄(田中幸太朗)率いる明和一高等学校野球部の試合を宿舎のテレヴィで皆で呆然と眺めていたときも、島オサムと大竹文雄と佐川周二は三人で並んで座り込んでいた。トリオなのか。
島オサム役の中村友也成宮寛貴と同じく芸能事務所トップコートの所属であることを先週ここに書いた。よく見れば同社の公式サイトに彼の日記あり、毎週金曜日に更新されるようだ(http://www.topcoat.co.jp/)。ただし同所に載る彼の顔写真よりもTBS「H2」公式サイト(http://www.tbs.co.jp/H2/corre.html)に載る彼の顔写真の方がよい。一九八六年十二月二十四日の生というから「ごくせん」の亀梨和也と同い年だが、所謂「学年」で云えば中村友也の方が一つ下になるのか。趣味が「空の写真を撮る事」だそうだから堤幸彦と話が合うことだろう。