富豪刑事

テレビ朝日系-木曜ドラマ「富豪刑事」。筒井康隆原作。蒔田光治脚本。常廣丈太演出。深田恭子主演。第七話。
富豪刑事の美和子(深田恭子)の祖父の神戸喜久右衛門(夏八木勲)は昔、まだ悪事に励んでいた頃、「エリザベート三世」の王冠の贋作を大量生産して売り捌いたことがあったらしいが、その際、素材や技法に徹底的に拘り抜いたため却って真作よりも高く付いたらしい。実際そうなのだろう。真に優れた複製品を制作するためには最高の技術と材料が必要で、下手すれば真作を入手する方が安い場合も充分あり得る。
なお、麻薬密売人の戸塚(嶋大輔)が美和子を抹殺しようとしたときのやたら大掛かりな装置に、美和子が「どうしてこんな面倒なことするんですか?」と訊ねたのは、「トリック3」における山田奈緒子仲間由紀恵)の「手のかかることを!」の感嘆に通じるものと云えるだろう。巨大な剣山を落下させて美和子を抹殺する装置を起動させたあと逃げ去ろうとしたところで何時の間にか自家用車をレッカー移動されていたことに気付いた戸塚。頭を抱えて落ち込んでいた彼の姿が哀れで、そして面白かった。