仮面ライダー響鬼

テレビ朝日系ドラマ「仮面ライダー響鬼」。細川茂樹主演。
五之巻「溶ける海」。
十四歳の少年、安達明日夢栩原楽人)は、葛飾柴又の商店街で謎の男、立花勢地郎(下條アトム)と出会って、連れられて行った甘味処「たちばな」で、憧れの「変なオジサン」ヒビキ(細川茂樹)と再会した。ここでヒビキがまた変な歌を歌ってくれた。「出会いは何時も不思議なもんさ、さ・さ・さ・さ、早速再会驚いた」。
その店まで明日夢に同行してくれていた女友の持田ひとみ(森絵梨佳)は塾に行くため先に帰ったらしい。そのあと川沿いの道を逍遥しながらの、ヒビキと明日夢との会話。「彼女、やっぱ少年のカノジョなの?」「いや、ただのクラスメイトですよ」「なに?照れてんじゃん!」「照れてませんよ」「本当?」「本当ですよ!」等と少しフザケたあと、ヒビキは懸案の話題に入った。「彼女、塾へ行くって云ってたけどさ、少年もやっぱり塾行ってんの?」。屋久島の森の中で鬼に変身したヒビキの妖怪退治を「少年」明日夢は目撃したが、そのことの精神的な衝撃は、「少年」の日常生活、ことに間近に迫っているはずの高校受験に悪影響を与えていないかどうか、ヒビキは気にしていた。「なんかさ、大変な時期に、とんでもないもん見せちゃって。悪かったね」。心配するヒビキに明日夢は応えた。「大丈夫です」「ていうか、またヒビキさんに会えてよかったです」。受験前の不安の中で彼はヒビキにはもう会えないような気がしていたようだが、今こうして再会できたことで余計な不安感を少し払拭できたようだ。別れ際に明日夢は「鍛えときます!」と宣言した。
ところで、葛飾柴又の商店街にある甘味処「たちばな」の「おやっさん」立花勢地郎とヒビキとの会話が重要な情報をもたらした。一つ、「昔に比べて鬼のなり手が減った」らしい。一つ、ヒビキには「弟子がいない」らしい。これらの情報が導くのは、鬼=ヒビキが「弟子」を求めているということだ。云わば「今欲しいんだよね、君の力が」ということだ。
勢地郎もヒビキも、明日夢の「眼」を気に入っているようなのだ。
他方、明日夢は再び心機一転、受験勉強に励み始めたが、持田ひとみがその後二度も甘味処「たちばな」へ行き、ヒビキにも会って悩み事の相談まで持ちかけていると聞いたときには少し微妙な表情だった。持田ひとみが自分には明かさない悩みをヒビキには打ち明けたらしいことに傷付いたのか、それとも自分の知らない間に二人が親しく接した事実に嫉妬したのか。
同じ頃、タクシー運転手として生計を立てる明日夢の母、安達郁子(水木薫)は、仕事の途中に寄ったコンヴィニで一人の「凄いカッコイイ」男を見た。ヒビキに近い雰囲気で、「別れた旦那にまたそっくり」の男。見惚れ過ぎて興奮した余り、買ったばかりの肉マンを握り潰してしまった郁子。その美男子の名はイブキ(渋江譲二)。妖怪退治の鬼たちの組織「猛士」の一員で、無論ヒビキの仲間の一人。海岸へ「魔化魍」退治に出張したヒビキと立花香須実(蒲生麻由)の会話によれば、イブキはヒビキよりも年下なのに「正統派」の優秀な鬼なのだそうだ。次週から活躍することだろう。