不機嫌なジーン

フジテレビ「月九」ドラマ「不機嫌なジーン」。第七話。竹内結子主演。
仁子(竹内結子)の弟、蒼井信二(加藤康起)は先週の第六話の途中に突然登場して今週の第七話の途中で静かに退場した。もう出番はないだろうが、なかなか面白かった。「いつも山形弁」で語る無類の女好きの高校生だったが、ドラマ中に関西語以外の方言で語る人物が登場すると不思議と気分を盛り上げる。関西語も悪くはないが、テレヴィ内には氾濫していて今や共通語に準じると云うも過言ではなく、新鮮味はない。実際、関西人でもないのにインチキ関西語で語る芸能人さえも幾人かいるようだ。それに比すればテレヴィドラマにおいてさえ他の地方の言語で語る登場人物には希少性があり、故に新鮮味がある。例えば「池袋ウエストゲートパーク」における茨城語の桜井刑事(前原一輝)とか「トリック」「トリック2」「トリック劇場版」における広島語の石原刑事(前原一輝)とか。最近の例としてNHK朝の連続テレビ小説わかば」における宮崎語の村上啓太内野謙太)を挙げてもよいが、やはり前原一輝の例の特殊性は特筆するに値しよう。なにしろ彼の俳優業の中で方言の役の占める割合は極めて高いと思われるからだ。これは堤幸彦の趣味によって生じた特殊な事例に過ぎないが、やはり各地の方言をよくする役者がいるのは面白い。加藤康起も方言の道を極めてはどうだろうか。