BSマンガ夜話

NHK衛星第二放送「BSマンガ夜話」。
魔夜峰央パタリロ』を取り上げていた。この作家は夏目房之介と同年代なのだそうで、それだから日本の漫画史上の比較的古典的な作品から最新の作品までを一通り「同時代」のものとして知っていて、そうした漫画に関する知見の広さが『パタリロ』に独特な個性を生じているというのが夏目房之介の説だった。斬新であることによってではなく総合的であることによって個性を得たということだ。画風には斬新な独自性が見られると云うが、それは作家本人の言によれば実は十九世紀の画家ビアズリーからの影響下にあったらしい。いしかわじゅんによればギャグ漫画としては決して最先端を行くものではなく、ただ少女漫画に『ガキデカ』風のギャグを持ち込んだところに新しさがあり、また「夏目の目」の分析では、内容においても形式においても落語風としか云いようのない古典的な部分もあるという指摘もあった。