Gの悲劇

稲垣吾郎主演「Gの悲劇」。佐々木蔵之介客演。フジテレビ系「スマスマ」内で放送された。TBS日曜劇場「Mの悲劇」のパロディ。背景音楽には本物と同じものを用いていたが、TBSから借用したのか。客演者が長谷川京子伊武雅刀ではなく佐々木蔵之介だったのも、昨夜の「Mの悲劇」第八話における久保明佐々木蔵之介)大暴走の興奮が未だ冷めない中、誠に時宜を得た好企画だったと評してよい。正体不明のストーカー相原美沙からのFAX・電話の攻撃に恐れ、久保明からの電話による助言に従って部屋を飛び出した安藤衛(稲垣吾郎)がエレベイターの戸が開くと同時にその中へ飛び込めば実は床がなくて、落下した下には泥水の水槽が待ち構えていた…というだけの単純明快なオチではあったが、あの複雑怪奇な「Mの悲劇」のパロディとしては逆にそれがよかった。部屋を飛び出したとき戸に鍵を掛けて行かなかったところに、「石橋を叩いて渡る用心深い小心者」を自称しておきながら実際には石橋を叩き損ねている彼の油断がよく表れていた。どうやら稲垣吾郎はオチを知らされていなかったらしく、驚いて素に戻ったのか、駆け付けた久保明をそのまま「蔵之介さん」と呼んでいた。「これでは悲劇ではなく事故だ」とか冷静に評していた稲垣吾郎佐々木蔵之介も笑いながら泥水で曇った安藤衛の眼鏡を手で拭いてやっていた。佐々木蔵之介は直後に「Mの悲劇」撮影の現場へ戻ったらしいから、恐らくは稲垣吾郎のこの雄姿について、長谷川京子成宮寛貴伊武雅刀に報告したことだろう。そういえば留守番電話に入っていた相原美沙の声と口調が長谷川京子を見事に真似ていたのも賞賛するに値しよう。