汚れた舌

TBS系ドラマ「汚れた舌」。内館牧子作。第三話。
涼野弘子(森口瑤子)は実子の涼野光哉(田中圭)を使って義理の子の涼野耕平(加藤浩次)に江田千夏(飯島直子)との密会をさせた上で、わざわざ嫁の涼野杏梨(牧瀬里穂)を伴い、その密会の料理店を訪ねた。こうして自ら作り出した悲劇的な場面を眼前にして不気味に微笑した弘子。実に恐ろしい笑顔だった。そして弘子と千夏との間の激しい言葉の応酬を聞かされて、傷付くだけの杏梨。
傷付いて先に退出し帰宅した杏梨を見て光哉は弘子の陰謀に怒ったが、どうやら彼の理解は真相に達していない。弘子が杏梨を傷つけて耕平をも困らせたことには怒っても、自分が弘子に利用されただけだったことには怒っていなかったからだ。彼が杏梨に好意を抱いているのは明白だが、その好意が己の状況への視線を曇らしているだけでもなさそうだ。弘子が嘲りながら言い放ったように、やはり彼は弘子の亡き夫の「ボンクラ」を受け継いでいるのだろうか。しかも彼は好意を寄せる杏梨に優しく声をかけたものの杏梨には相手にしてもらえていなかったわけだから、彼は今のところ弘子にも杏梨にも勝てていないのだ。
他方、江田典子(松原智恵子)は今回、百貨店「松浦屋」で大暴走。店内の記者会見場の手前まで迫り、中に入れろ!と叫んで騒いで、誰がどう見ても不審者そのものだった。しかも後日、その会見について報道する週刊誌の記事を虫眼鏡で見て、会見場内に千夏がいたことを知ったのだから、次週さらに大暴走してくれることが充分に期待される。