曲がり角の彼女

フジテレビ系ドラマ「曲がり角の彼女」。稲森いずみ主演。第五話。
高級ホテル「グランフォート」企画営業部主任の大島千春(稲森いずみ)が美容と健康のため色々無理をして風邪に罹った上、仕事でも意地になって頑張り過ぎて無理をした挙句、ついに残業中の夜、職場の机に向かったまま倒れてしまった。そこに現れたのが同ホテル社長の御曹司であり副社長でもある甲本一樹(要潤)。彼が千春を抱き抱えて(所謂お姫様抱っこ!)医務室に運んだところがよかった。似合いの二人だ。
千春の年下の同僚、三原なつみ釈由美子)が千春の「我慢しなくてもよい」という言葉に反発して本気で怒ったとき、千春がなつみのその反論を素直に受け入れ、自分自身の悩み事にそのまま置き換えてみせて反省し、行動に反映させた逆転劇は面白かった。なつみの凄まじい反撃が何時になく深刻な空気を生んで救いようもなく重苦しかったのが一瞬で長閑に幸福に転じて、晴れやかに救われたのだ。この展開は見事だった。
千春の同僚、客室係の山岸えり子(青木さやか)が交際中の岡田栄太郎六十八歳(梅野泰靖)を無理矢理ホテルに連れ込んだものの、互いに何もできなくて、いたたまれなくなって老人を一人ホテルの寝室内に放ったまま、泣きそうな表情で逃げ出したところは悲しかった。