曲がり角の彼女

フジテレビ系ドラマ「曲がり角の彼女」。稲森いずみ主演。第八話。
大島千春(稲森いずみ)に突然キスをした甲本一樹(要潤)。直後に彼は動揺し慌てて謝って逃げ去ってしまった。衝動的にやってしまったのだろう。そしてそれは、キスをしたことにこそ本音があるということでもある。これが物語の転機になったようだ。一線を越えてしまったあとには「男女間に友情は成立しない」というのが今宵の第八話の主題だったのだ。
千春が負けることのない「負け犬」であるのに対し、勝つことを知らない「負け犬」が山岸えり子(青木さやか)であることについては以前も書いた。両名の違いは両名が同時期に微妙に類比的な事件に巻き込まれることで強調されるが、それは違いの表現であると同時に、同じ年齢であることに起因する境遇の類比性の表現でもある。えり子と千春の対比がドラマの主になることはないが、常にドラマを効果的に盛り上げているのは間違いない。