ドラゴン桜

TBS金曜ドラマドラゴン桜」。三田紀房原作。秦建日子脚本。塚本連平演出。制作MMJ&TBS。阿部寛主演。第二話「自分の弱さを知れ」。
倒産寸前の龍山高等学校の再建に乗り出した桜木建二(阿部寛)が矢島雄介(山下智久)に対して強烈な言を発した。「受験は今の日本に残された最後の平等なんだ」。この発言を威力あるものにしたのは、それに先立ち「今の日本」の不平等について思い知らせる実例を積み重ねておいたからだ。質屋における買値と売値の差。夜の道路工事現場における作業員の賃金。何れも実社会における搾取の厳粛な現実に他ならない。これらの話の蓄積によって矢島雄介とともに視聴者もまた不平等の現実を再認識させられた。そうした上で「受験は今の日本に残された最後の平等」という台詞が放たれたのだ。
東大合格を目指す「特進クラス」に矢島雄介が参加することを決意。緒方英喜(小池徹平)と香坂よしの(新垣結衣)と小林麻紀(サエコ)が続いたのも自然の流れだった。奥野一郎(中尾明慶)の参加も既に見えているし、やがては水野直美(長澤まさみ)が参入する伏線も敷かれている。今後どんどん盛り上がることだろう。
ところで、龍山高等学校の英語教師、井野真々子(長谷川京子)の友人で、秀明館高等学校で英語教師をつとめている山本希美(矢沢心)は前回に引き続き対照的「カレシ候補」二名の選択で悩んでいたが、二名中の一人、沢松靖司(唐橋充)について、「頭悪いからスゲエしか云わない」と評していたのが面白かった。確かに最近、何事にも「スゲエ」或いは「スッゲエ」としか反応できない人は極めて多い。