女系家族

TBS系ドラマ「女系家族」。山崎豊子原作。清水曙美脚本。竹村謙太郎演出。米倉涼子高島礼子主演。制作協力FINEエンターテインメント。制作ドリマックス・テレビジョン&TBS。第四話。
矢島家の親族会議。総領娘の矢島藤代(高島礼子)と次女の矢島千寿(瀬戸朝香)、三女の矢島雛子(香椎由宇)、次女の婿の矢島良吉(沢村一樹)、叔母の矢島芳子(浅田美代子)は、逝去した矢島嘉蔵(森本レオ)の愛人、浜田文乃(米倉涼子)を退席させたあと、今度は矢島嘉蔵より遺言執行人を一任されていた矢島商事の専務、大野宇市(橋爪功)の「疑惑」を追及し始めた。だが、ここで大野宇市が開き直りの姿勢に転じたことで却って矢島家の人々が頭を下げざるを得なくなった。
このように、命令する者と命令される者との関係は実は常に微妙であり、容易に逆転し得る。命令が有効に遂行されるには命令される側の服従と誠意が必要であり、命令される側がその立場を放棄したなら、命令する側の者に残される道は、命令する側であることを止めるか、もしくは暴力によって強制的に命令に従わせるか、何れかしかないだろう。しかるに暴力による支配は永続しないのであり、命令する者と命令される者との関係が永続するためには、暴力ではなく信頼こそが必要だ。信頼の関係が崩壊するとき命令の関係も崩壊せざるを得ない。
梅村芳三郎(高橋克典)は矢島藤代に対して通常あり得ないことを要求していたが、矢島家の現在直面する非常事態ではそれが通ってしまう。危機はさらなる危機を呼び込み、連鎖してゆくものなのだ。で、矢島雛子の見合い相手は海東健ではないか。