月九スローダンス

フジテレビ系「月九」ドラマ「スローダンス」。妻夫木聡深津絵里主演。衛藤凛脚本。永山耕三演出。第五話。
小池実乃(広末涼子)と芹沢英介(藤木直人)の鹿児島旅行。日帰りの予定は一泊に化し、彼の経営する店では急遽、彼の弟の芹沢理一(妻夫木聡)が代理で留守番。それに伴い、彼の学生時代以来の友人、長谷部幸平(田中圭)と木田貴司(キングコング西野亮廣)も今宵その店に集合。そこに入店した牧野衣咲(深津絵里)と八嶋優太(小泉孝太郎)。英介に会いに来たのに裏切られた衣咲に対し、実乃に片想いの幸平は同志意識を抱いた。もちろん衣咲はそんな同志として見られることを直ぐに拒絶したが、思うに、中途半端な恋の成就と、成就しない恋をめぐり愚痴を語り合う同志の友情とでは気楽に楽しめるのは何れの方だろうか。
衣咲と八嶋の仕事のため宣伝用DVD撮影を委託された幸平と木田は監督の任を理一に求め、何とか無事に業務を遂行。そこに幸平に呼び出された広瀬歩美(小林麻央)が合流。学生時代を想起して大いに盛り上がる彼ら四人の様子を見て衣咲が寂しそうだったのは痛ましい。業務の完了を祝賀する酒宴の主催を八嶋に委ねて衣咲が最後まで合流しなかったのも、痛ましいことだが、よく分かる。年齢差というのはそれ自体が問題ではなく、時代の記憶を共有していないことによって問題化する。理一と幸平と木田と歩美は、同い年であるばかりか同じ学校の同じ学部の同じ学科で同じ課題に取り組んだ同好の同志だ。彼らの輪に衣咲が入り込めないのは当然なのだ。