日曜劇場いま会い

TBS日曜劇場「いま、会いにゆきます」。市川拓司原作。飯野陽子脚本。岡田惠和潤色。平野俊一演出。ミムラ主演。第五話。
秋穂巧(成宮寛貴)が秋穂澪(ミムラ)のために語って聞かせる中学生時代十四歳の秋穂巧(福本有希)と榎田澪(黒川智花)の回想が何時もながら実によい。中学生時代。秋穂巧の教科書を榎田澪は自分のものと間違えて、それにパラパラ漫画を落書きしてしまった。自転車に乗れなかった澪は、その漫画の中で恋人の漕ぐ自転車に二人乗りをしていた。巧は自分がその恋人でありたいと願望したが、その漫画を盗み読んだ陸上部の連中は、陸上部の花形選手、工藤明宏(三浦春馬)をその役に就かせるため団結した。工藤もまた澪を狙っていたのだ。でも中学校の卒業の日。澪は巧に話し掛け、二人は初めて言葉を交わした。あのパラパラ漫画の中の恋人は多分、巧ではなかったか。この「始まり」の瞬間の、巧の柔らかな表情がよかった。