女王の教室

日本テレビ土曜ドラマ女王の教室」。遊川和彦脚本。大塚恭司演出。制作協力は日活撮影所。天海祐希主演。第七話。
急展開。驚異の逆転劇の連続。そして奇跡の大逆転。だが、数多あった見所の中でも今宵屈指の見所が悪魔のような教室の女王、阿久津真矢(天海祐希)による佐藤恵里花(梶原ひかり)への天誅にあったのは言を俟たない。真矢への恵里花の密告の現場を皆が盗み聞きしていることを承知の上で敢えて真矢は恵里花の暗黒面について語ったのだ。冷酷で卑屈な恵里花の真相が暴露されたことで教室内の形勢は一気に逆転した。不屈の神田和美志田未来)が遂に復権した瞬間だった。だが、和美は恵里花を見捨てはしなかった。ここで真鍋由介(松川尚瑠輝)の協力は実に頼もしかった。恐らくは新藤ひかる(福田麻由子)と馬場久子(永井杏)も尽力したことだろう。ともあれ重要なのは、由介が力強く説いたように、恵里花の問題は決して恵里花一人の問題ではないということだ。今回の恵里花の場合、盗難事件の真犯人でありながらその罪を和美に押し付けたという特殊な事情があったにせよ、真矢に隷従していたのは(和美と由介と新藤を別にすれば)教室の全員だったのだからだ。由介の演説、そして恵里花自身の悲鳴によって皆がそのことを理解した。奇跡の大逆転としての和解は必然の帰結だったと云わなければならない。
それにしてもあの次週予告は何だろう。阿久津真矢が天海祐希みたいな人間に変身し、「御免ね、これが本当の私なの」とか爽やかに笑んでいた。意味が分からない。真矢が二年間もの地獄の「再教育センター」経験者であるという意外の事実も明かされたし、これは次週も絶対に見逃せない。