海猿-UMIZARU EVOLUTION

フジテレビ系ドラマ「海猿-UMIZARU EVOLUTION-」。佐藤秀峰原作。福田靖脚本。羽住英一郎演出。伊藤英明主演。第九話。
二年前の春の伊藤英明主演による傑作ドラマ「ぼくの魔法使い」の用語に準えて云えば、映画は観者に強力な「魔法」をかけなければならない。物語には始まりから終わりまでの流れがある以上、娯楽番組のようにはどの瞬間でも楽しめ得るわけではないからだ。映画のように作られた連続ドラマともなれば、映画の場合よりもさらに強力な魔法が要求される。なぜなら一つの話と次の話との間には一週間もの間隔があるし、民間放送であれば一つの話は幾度か分断されてCMが挿み込まれなければならないからだ。多少とも退屈な話が続くとしても観者が魔法にかかっていれば結末の盛り上がりへの期待から耐えて前進し続けられる。この力作ドラマ「海猿」の魔法は少々弱かったのではないだろうか。