月九スローダンス第11話=最終回

フジテレビ系「月九」ドラマ「スローダンス」。妻夫木聡深津絵里主演。衛藤凛脚本。永山耕三演出。第十一話=最終回。
このドラマの初回=第一話において牧野衣咲(深津絵里)が芹沢理一(妻夫木聡)に対して冷ややかに与えた非難の一言「順番を守ってくださる?」。これを今宵の第十一話=最終回においては理一からの愛の告白に対する感謝と応諾の意を込めた照れ隠しの言として繰り返したところに面白味があるわけだろうが、生憎それは最大限の効果を発揮しなかった。理由は二つ。第一に、初回における二人の出会いがそんな一言で始まったことなど記憶してもいなかった。しかるに第二に、理一が衣咲の待つ教会に到着するまでの間、衣咲が理一と過ごした日々を想起していた中で過去へ遡りゆく記憶の映像の最後に出たのが出会いのときの当の場面だった。要するに誰も憶えてもいなかったことをわざわざ想い出させた上で、そのときの言と同じ言を再提出してみせた念の入れように、全面的に好意的であるわけではない一観者としては却って冷めてしまわざるを得ない。
この「スローダンス」の終了直後には新番組の告知もあった。十月から始まる月九ドラマの題名は「危険なアネキ」。主演は伊東美咲森山未來森山未來の姉がどうして伊東美咲になってしまうのか、甚だ理不尽だ。でも平岡祐太も出るようであるし、見なければならない。