がんばっていきまっしょい最終回

フジテレビ系ドラマ「がんばっていきまっしょい」。敷村良子原作。金子ありさ脚本。三宅喜重演出。鈴木杏主演。第十艇=最終回。
三十分間延長の特別拡大版。そして終わった。序盤には出演者一名の突然の降板という悲しい騒動もあり穏やかではなかったが、代役の決定したあとは速やかに調子を回復して無事に終わった。しかも心地よい結末だった。ことに最後の、悦ネエ=篠村悦子(鈴木杏)と、篠村幸雄(大杉漣)、そしてリー=矢野利絵(相武紗季)、ダッコ=菊池多恵子(岩佐真悠子)、ヒメ=中崎敦子(佐津川愛美)、イモッチ=中浦真由美(藤本静)との間の、雨降る中の松山観光港における別れの場が寂しく美しかった。
SABUちゃん=中田三郎(田口淳之介)が「セッキー」=ブー=関野浩之(錦戸亮)に「こんなに好きやのに!」と告白する場面があった。もちろん冗談で云ってみただけではあったものの、恋愛ではないにしても「好き」であるのは確かだろう。「純情少年」ブーが何時も悦ネエのことばかり見詰めていたのを中田三郎は見詰めていたからだ。彼は悦ネエとセッキーの二人を二人まとめて同じように愛していたと見てよいだろう。
松山第一高等学校男子ボート部OB五人衆、安田恭一(北条隆博)・雨谷光太郎(滝直希)・窪田啓司(田中琢磨)・大塚秀明(三田村瞬)・酒井仁(福山一樹)は今回も登場していた。福山一樹の所属芸能事務所が矢田亜希子青木伸輔で知られるトヨタオフィスであることについては先月三十日ここに記した通りだが、滝直希については今月一日、名無しの未知の友より貴重な情報ご提供あり、大杉漣徳井優と同じく高岡事務所の所属であるとのこと。彼らの今後の活躍に注目してゆこう。
ともかくも終わって安堵したのと同時に少しばかり寂しい。四国を舞台にしたテレヴィドラマなどは大抵は遍路とか古めかしいものを取り上げるもので、今回のような光り輝く青春ドラマというのは極めて稀少で貴重だと云える。