魔女の宅急便

今宵、日本テレビはTBS系「ドラゴン桜」最終回の裏に大人気アニメ映画「魔女の宅急便」1989年を打つけてきた。かの「トリック」における山田里見(野際陽子)に倣い、何度目だ?「魔女の宅急便」…と云っておこう。奇しくも「ドラゴン桜」には「トリック」の阿部寛野際陽子が出ていた。ともかくも夜十時から一時間十五分間の「ドラゴン桜」に対し、裏番組の「魔女の宅急便」は夜九時から二時間十五分間の放送。おかげで「魔女の宅急便」を途中までしか見ることができなかった。最後まで見たかったのに。元来「魔女の宅急便」は好きなのだ。私的な思い出もあるからなおのこと愛着が湧く。今より約十年前のこと。或る文化施設の講堂で定期的に開催されていた小さな映画イヴェントで映写技師をつとめたことが幾度かあって、「魔女の宅急便」を上映したことも一度あった。映写室内でフィルムの動作を見守りつつ彼方のスクリーンに映ったそのアニメ映画を初めて見て、慣れない土地で働く少女の苦悩に共感し感情移入して泣いてしまった。以来この映画を観る度に泣いてしまうのだ。というわけで今宵の二つの番組の競合は実に残念なことだった。