危険なアネキ第1話

フジテレビ月九ドラマ「危険なアネキ」。金子茂樹脚本。久保田哲史演出。フジテレビドラマ制作センター制作。伊東美咲森山未來主演。第一話。通常は一時間放送のところ初回のみ十五分延長。
森山未來平岡祐太を目当てに見始めたものの、結果的には高嶋政伸の面白さに惹き込まれてしまった。侮れない高島兄弟。皆川勇太郎(森山未來)と中村拓未(平岡祐太)がともに研修医として働いている慶聖医科大学附属病院に、教授の田村伸一役として児玉清、医師の武田育夫役として高嶋政伸を配したことが物語に厚みと柔らか味を与えるものと期待できる。また、宮崎の田舎の必ずしも裕福ではない家庭から這い上がった皆川勇太郎の立場や劣等感や立身出世主義は、都会の富裕な開業医の御曹司として医師になるべく生まれ育った中村拓未との対比によって鮮明になるわけだが、この場合にも勇太郎を徒に惨めに描くことなく、しかも拓未を徒に嫌味に描かないためには森山未來平岡祐太の起用は効果的だったと思える。
冒頭、皆川寛子(伊東美咲)は自己紹介の段「ポンカンとバナナとチキン南蛮が好き」と云ったが、この「チキン南蛮」というのは宮崎地鶏・宮崎牛等とともに宮崎の名物。焼酎が同じく名物であるのは云うまでもない。宮崎の夜の店に行くと店によってはカクテルの類は皆無に近く、全員が焼酎を飲んでいたりして、ミルク系カクテルしか飲まないような者には少々居心地が悪かったり。なお、皆川寛子の「双子座、O型、宮崎生まれ」「バナナとチキン南蛮」と云うのを聞いて自分のことかと思ってしまった。おかげで皆川寛子に愛着を感じてしまった。不覚。
その他、前半の時点で既にイタリア料理屋「ピントリッキョ」店長の斑目潤役で佐藤二朗が暴走していたり、後半にはキャバクラ「ブルーベルベット」フロアマネージャー里見亮輔役で城咲仁が本領発揮していたりして目を惹いたし、「ブルーベルベット」店内で北村さおり(釈由美子)が華やかに振る舞っていたのを見たときには「黒革の手帖」を想起してしまった。