あいのうた第2話

日本テレビ水曜ドラマ「あいのうた」。岡田惠和脚本。大谷太郎演出。制作協力MMJ菅野美穂玉置浩二主演。第二話。
前回も書いたように柔らかな色調の映像が心地よい。好感が持てる。物語も面白いが、脇役たちの行為がもっと面白い。刑事としての仕事に励んでいるとき柳沼佑介(成宮寛貴)は飯塚英樹(小日向文世)に対してはどこまでも冷たいが、対する飯塚は常に笑顔で接している。しかるに飯塚に対する柳沼の言動に裏表はないが、対する飯塚には当然ながら裏表がある。柳沼の冷たさに対する怒り、苛立ちがあの満面の笑顔の奥に隠れているのだ。他方、柳沼は飯塚に対しては笑顔の一つもなく冷たいが、一目惚れで片想いをしている相手、松田洋子菅野美穂)に対しては笑顔で明るく優しく接する。書店の記憶喪失関係図書の売り場で偶々二人が会ったときの彼の態度など、片想いの相手を前にした緊張と興奮をよく表していた。洋子に冷たくあしらわれたときの驚きの表情は傑作だった。
ところで、山崎雄介の演じる奥山とは、料理屋「海鮮米問屋“竃”」=「溝口米穀店」の料理人だったようだ。溝口店長(阿南健治)とともにカウンターの中で働いていて、常連客の片岡優二(玉置浩二)や飯塚英樹、柳沼佑介に料理を出し、話し相手として愚痴を聞いたりもする役だが、飯塚の必死の愚痴に対して彼が常識的に冷ややかにしか反応しないのが面白い。