義経第43話

NHK大河ドラマ「義経」。滝沢秀明主演。第四十三話。
土佐坊昌俊（六平直政）と武蔵坊弁慶（松平健）との対話。そして源義経（滝沢秀明）の居住していた源氏累代の館「六条堀川亭」への土佐坊昌俊一党の夜襲。この大河ドラマでは久々の見所だった。土佐坊の役に六平直政を起用したのが正解だったのだろう。迫力があったし、松平健も輝いた。そして義経正室の萌殿（尾野真千子）は自ら薙刀を持って健気だった。
他方、「治天の君」後白河院（平幹二朗）率いる妖怪トリオの貴族性がいよいよ炸裂。鎌倉殿源頼朝（中井貴一）が義経を討伐するため十万もの大軍勢を率いて京都へ攻め上りつつある中、伊予守義経と新宮十郎＝源行家（大杉漣）に加勢する武士たちの皆無に近い実態について、院近臣の「鼓判官」平知康（草刈正雄）が奏上するや、寵姫の丹後局（夏木マリ）は無力の九郎義経等への院宣など早々に取り消してしまった方がよいのではないかと（事実上）決断を迫った。美少年愛好の後白河院＝平幹二朗は義経を捨て切れなくて迷っている様子だったが、もちろん貴人の結論は一つしかない。
さて、予告編によれば次回は新中納言平知盛（阿部寛）の怨霊が現れて義経を苦しめることになるのか。日本画の巨匠、前田青邨の晩期の傑作「知盛幻生」（某法人蔵）のあの幻想的な迫力は再現され得るだろうか。