V6新潟旅行の剛健

今宵TBS系「学校へ行こう!MAX」はV6新潟旅行の特集。この調子で全国を巡るのがよいと思う。最近この番組で始められた旅行企画の特色は、宿泊先も食事も何一つ番組側からは提供されないこと、小学生から高校生までの年齢の子どもがいる家に泊めてもらい、食事も御馳走にならなければならないことにある。移動手段も乗用車か鈍行列車か何れかで、前者の場合それを運転するのはリーダー坂本昌行。人気アイドルがこんな無茶なことをしなければならないのか?と思わせておいて、実際には人気アイドルだからこそ成り立つ企画でもある。無名の芸人が突然「泊めてくれ」と来ても(ヤラセでない限り)普通は泊めないだろう。著名な人気アイドルだからこそ泊めてみようか(或いはむしろ「泊めても大丈夫だろう」)という気にもなり得るのだ。
で、今回V6は室町時代以来六百年の古刹、「真珠院」に一泊。泊めてもらいたいと願うとき、森田剛は寺の長男の母君に「お姉さん」呼ばわり。年上女性を口説くのは彼の得意分野だ。三十五代目の方丈(住職)から和菓子で接待されていたとき、森田剛は意外にも正座だった。礼儀正しく見えたが、本当は確か胡坐をかけない体質だからだろう。長男と次男が茶を運んでくれるとき森田剛は手を差し伸べようとしていたが、そういえば小さな子どもと戯れるのも彼の得意分野なのだった。往年の深夜番組「オトセン」を想起する。
その後、坂本昌行長野博・井ノ原快彦が蕎麦打ちに挑戦していた間、蕎麦アレルギーの三宅健森田剛と二人、方丈家の次男に連れられて近所へ乳搾りに出かけた。森田剛三宅健に代わり乳を搾るとき「見とけや!本場の乳握り」と云い放った。これは微妙に下ネタのようだ。乳搾りの指使いがエロティクだったし、三宅健に再び交替する段、「牛から出すんじゃないよ、自分から出るつもりで」と云ったのも下ネタに違いない。その夜、賑やかな食事の席上、搾りたてのミルクを飲んでいた皆に「ちなみに俺たちのミルクも入ってるけど」と云ったのも凄い。堂々下ネタ。ゴールデンタイムなのに大丈夫なのか。稀少な地元の酒をも供され、運転手としての責務から飲めないでいる坂本昌行をからかう井ノ原快彦の顔はアイドルの境界線を超えていた。三宅健は髪を短くしていて、一瞬まるで「花より男子」の道明寺司松本潤)みたいに見えた。