夜王YAOH第十話

TBS金曜ドラマ「夜王YAOH」。倉科遼井上紀良原作(作&画)。渡辺啓渡辺慶)脚本。主題歌=TOKIO「Mr.Traveling Man」。ホスト監修=零士&大内基。貴島誠一郎チーフプロデューサー。加藤章一プロデューサー。倉貫健二郎演出。ドリマックス・テレビジョン&TBS製作。松岡昌宏主演。第十話。
新宿歌舞伎町随一の名門ホストクラブ「ロミオ」のNo.2ホスト的場遼介(松岡昌宏)率いる修(要潤)・夏輝(石垣佑磨)・金四郎(佐藤二朗)に勇作(水谷百輔)・啄郎(三田村瞬)・晴彦(加藤厚成)の三名を加えた一派「遼介派」の追い上げに焦ったNo.1ホストの聖也(北村一輝)は二階堂フジ子(杉本彩)の財力を借りた。二階堂の、強引ながらも強力な攻撃。今や聖也はその強大な力しか当てにしていない。これが従来の聖也派の馴染み客を退屈にさせ不快にさせるのは目に見えていたが、もっと致命的だったのは聖也の忠実な家臣だったNo.3ホストの蓮(須賀貴匡)やNo.4の大河(青木伸輔)までもが聖也への不快感を隠せなかったことだ。蓮は既に聖也派を見捨てたようだ。そして唯一、聖也を決して裏切らないに相違ないNo.5の光(忍成修吾)は、崇拝し敬愛する聖也のために遼介を刺したことの責任を感じて、歌舞伎町の夜から消えたまま。夜の新宿歌舞伎町に名を轟かせた強大な勢力は内部から無残に崩壊したのだ。
遼介派と聖也との間の売り上げ競争の徒な激化は客を熱くはしても幸福にはしないと悟った遼介は競争から降りることを決め、一人で店を辞めた。聖也には既に客はなく派閥もなかった。店に来るのは遼介の客ばかり。遼介が既に店を辞めたことを承知の上で、なおも敢えて遼介に会いたがる客ばかりだったのだ。闘いに勝利した聖也は、オーナーの矢島輝彦(内藤剛志)との約束により店こそ得たものの、派閥も客も全て失った上、二階堂の陰謀により店をも失いつつある。何もかも必然的だったと云わなければならない。この悔しい展開が次週どのように好転し得るだろうか。