アンフェア最終回

フジテレビ系ドラマ「アンフェア」秦建日子原作。佐藤嗣麻子脚本。住友紀人音楽。関西テレビ共同テレビ制作。小林義則演出。篠原涼子主演。第十一話=最終回。
一連の殺人事件の全てを関連付け操っていた完全会員制の殺人計画サイト「アンフェアなのは誰か?」の管理人は安藤一之警視庁捜査一課刑事(瑛太)だった。彼は、かつて雪平夏見捜査一課刑事(篠原涼子)が強盗殺人犯として射殺した十七歳の少年ユタカ(三浦春馬)とは兄弟同然に生きていたと云う。新宿にコインロッカーにともに捨てられ、同じ養護施設で育てられ、そして心優しいユタカは学業に秀でたカズ=安藤を大学に進学させるため必死に働いて稼いでいたと云うのだ。雪平に復讐するため警視庁に就職したものの、宿敵に恋心を抱いてしまった今、かつてユタカと自分を苛め抜いた男に復讐し、同じ場所で、かつてそこでユタカを雪平が射殺したのと同じように自分も射殺されることを、彼は願うに至ったのだ。そして三上薫検視官(加藤雅也)が述べたように、安藤の計画は最後まで全て完璧に実行された。
他方、警視庁では一連の事件に関する「不祥事」の全責任を山路哲夫捜査一課管理官(寺島進)に負わせ、更迭人事を発令した。「不祥事」とは部下である安藤への管理の不行届の意だろうが、妙な話だ。無論これは小久保祐二捜査一課係長(阿部サダヲ)が上層部と謀って強行した人事だろう。これに伴い、晴れて彼は管理官に昇進したことだろう。しかし山路管理官は今回の犯罪者の一人である蓮見杏奈捜査一課情報解析係(濱田マリ)と今後も一緒に生きてゆくことを決意し、蓮見にも死を考えてはならないことを求めたばかりか、同じく今回の犯罪者の一人である牧村紀世子(木村多江)の名誉を回復させるため自身も関与した警視庁の悪行について日報新聞社の佐藤和夫香川照之)に極秘で情報を提供した。安藤の追跡に際して雪平に単独行動を許したのを含め、山路管理官は清濁を併せ呑んだ熱い男だった。