仮面ライダーカブト第九話

テレビ朝日系“スーパーヒーロータイム”ドラマ「仮面ライダーカブト」。水嶋ヒロ＆佐藤祐基主演。第九話。
仮面ライダーカブト＝天道総司（水嶋ヒロ）は自身の名の意味を「天の道を往き総てを司る男」と説明する。一見あたかも全宇宙を支配すると主張しているかに響くが、冷静に考えれば案外そうでもないらしいことに気付かされる。なぜなら彼の前には「天の道」があるからだ。あくまでも彼は天の道の命ずるところに従っているだけなのかもしれない。この小さな世間の小さな組織の小さな掟に従うのではなく、天道（オテントウサマ！）という最も高く最も大きな掟に従っているのかもしれないのだ。彼と正反対の位置にあるのがZECT本部直轄の精鋭部隊シャドウの超エリート隊長、矢車想（徳山秀典）であるのは見易い。彼にとっては組織の命令こそが絶対であり、命令を実行するためなら組織の仲間たちを見殺しにすることさえも辞さない。だが、ZECT本部がそれを求めようとも「ゼクター」はそれを認めなかった。仮面ライダーザビーに変身していた彼の手元から突然ゼクターは逃れ去り、彼の変身は解除され、その力は失われた。「道を外れた」からだ。もはや彼は変身できない。そしてゼクターは加賀美新（佐藤祐基）の手元に降臨した。矢車が、たとえZECT本部から仮面ライダーカブト退治を命じられていたにしても、それよりも大切であるはずのワーム退治という本来の指名を忘れ、自身の率いる部隊シャドウの大切な部下たちを顧みることもなく、「ライダーバトル」に現を抜かしていた間、加賀美は、負傷の影山瞬（内山眞人）をはじめとする部隊の仲間たちを救うため、強暴なワームの群を相手に、殆ど素手に近い格好で必死に勇敢に闘っていた。天の道の命に適ったその健気な奮闘がゼクターによって認められたに相違ない。ついに加賀美が変身した。
なお、今朝の天道総司語録は素晴らしかった。「病は飯から。食べるという字は人が良くなると書く」。実に深い。名言だ。