ギャルサー第二話

日本テレビ土曜ドラマギャルサー」。藤本有紀脚本。池頼広音楽。主題歌=藤木直人「HEY!FRIENDS」。パラパラ振り付け=前田健。戸田一也&千葉行利(ケイファクトリー)プロデュース。制作協力=ケイファクトリー佐久間紀佳演出。第二話。
渋谷ギャルサークル=ギャルサーの日常における機能性と機動性は極めて社会的、或いは殆ど礼楽的・儀礼的でさえある。その運動性の性質に近いものは官僚制・公務員組織において見出されることだろう。そこにおいて君主は民主的な支持を得て組織の長として成立するが、成立している限りは組織全体から絶対的な服従を受け、そしてその組織の内部では頂上は無論のこと末端に至るまでのあらゆる構成員が君主の権威=人気を最高度に保つため組織の行動の細部に至るまでを徹底的に制御する。渋谷ギャルサーの最大勢力と云われるエンゼルハートは、もともとはレミ(鈴木えみ)というカリスマに惹かれて結集し結成されたはずだが、同時に現在のレミのカリスマ性を支えるのはエンゼルハートの強靭な組織力に他ならないという面もあるのだ。今回の話でも既にリカ(岩佐真悠子)とラン(西田奈津美)の騒動をめぐり一部にはレミの権力の正当性に対する疑念が生じていた。組織の崩壊をも生じかねない。組織力は必ずしも結束力ではない。王と家臣との間の権力関係は常に逆転し得るのだ。