ギャルサー第三話

日本テレビ土曜ドラマギャルサー」。大野敏哉脚本。池頼広音楽。主題歌=藤木直人「HEY!FRIENDS」。パラパラ振り付け=前田健。戸田一也&千葉行利(ケイファクトリー)プロデュース。制作協力=ケイファクトリー南雲聖一演出。第三話。
組織とはどのようにして可能になるのか?権力とは何か?権威とは何か?人望とは何か?信頼とは何か?信用とは何か?結束とは何か?要するに群衆が一つの有機的な集団として形作られてあるとはどういうことなのか?ということが、世界でも屈指の最先端の都市の一つであるはずの当世の東京渋谷を舞台にしながらも、云わば原始的な形で描き出されてゆくところにこの物語の面白さがある。集団の長と構成員との関係は、単に暴力による制圧であるわけでもなければ単に服従による支援であるわけでもなく、人望と信用との間の相互作用であるべきだ。渋谷ギャルサークル=「ギャルサー」エンゼルハートの総代表レミ(鈴木えみ)は、力による支配を拒否してもなお天性の才能を静かに示し得て、逆に力を獲得している。力を用いることなく他者を従わせる力を権威と云う。権威の源泉はギャル雑誌の専属モデルの地位にあるという決定的な事実にあり、白組幹部ナギサ(新垣結衣)が欲しがったのはその地位に他ならなかった。ナギサにはレミにあるような生来の才能があるわけではなく、ギャルとして生きる上での全面にわたり常に努力をしなければならない。そして人望ある人間になれるよう日々努力することで組織内で頭角を現し、権力を獲得したのである以上、その努力を少しでも怠れば忽ち人望を失い、力を失う。努力のみによってレミをも脅かし得る勢力を築いてきたわけだが、面白いのはそうしたナギサの闘志がレミをも熱くさせ、結局はレミのカリスマ性を高めることに繋がっていることだ。そして相次ぐ騒動や争闘の中で次第に発言力を強めつつある模様の白組サキ(戸田恵梨香