弁護士のくず第六話

TBS系ドラマ「弁護士のくず」。井浦秀夫原作(小学館コミック「ビッグコミックオリジナル」連載中)。瀧本智行脚本。主題歌=hitomi「GO MY WAY」(LOVE LIFE RECORDS)。梅堀淳音楽。本山信二郎(総合法律事務所あおぞら)法律監修。貴島誠一郎&橋本孝&川西琢プロデュース。ドリマックステレビジョン&TBS製作。酒井聖博演出。第六話。
事実無根の痴漢容疑というのはそれ自体が全ての男子にとって迷惑な話であり、当の疑いをかけられた者が性的にどのような志向性を持つか?ということは問題にはならない。とはいえ女性に対して欲情することのあり得ない男子にとっては、そうした己の性的な真相に反して女性によって痴漢と疑われることはそれ自体がセクシャルハラスメント(性的な嫌がらせ)に他ならない。劇中、九頭元人(豊川悦司)が「世の中には男と女しかいない」と云った直後ゲイバー店主ポン太(深沢敦)が「男と女だけではない!」と反論しながら入場したのは極めて濃厚な意味ある場面だったと云ってよい。世の中には男と女しかいないと信じる人々は、男は女に欲情するはずであると信じている。痴漢の疑いをかけられるや事実無根であろうとも反論の機会なく全ての男子が犯罪者に仕立て上げられてしまう今日の異常な状況は、そうした異性愛信仰を最大の根拠にしている。だが、その信仰には根拠がないのだ。