下北サンデーズ第二話

テレビ朝日系。木曜ドラマ「下北サンデーズ」。
原作:石田衣良下北サンデーズ」(幻冬舎刊)『papyrusパピルス)』連載中。脚本:河原雅彦。主題歌:藤井フミヤ「下北以上 原宿未満」(ソニー・ミュージック・アソシエイテッド・レコーズ)。音楽:屋敷豪太。原案:石田衣良藤井フミヤ堤幸彦。原案協力:長坂信人(オフィスクレッシェンド)。企画協力:古賀誠一オスカープロモーション)。演出補:木村ひさし。プロデューサー:桑田潔テレビ朝日)&市川竜次(オフィスクレッシェンド)。制作:テレビ朝日オフィスクレッシェンド。演出:堤幸彦。第二話。
劇団「下北サンデーズ」公演の本番における里中ゆいか(上戸彩)失敗の連発。黒子として裏方に徹しなければならなかったのに緊張の余りヒロイン伊達千恵美(佐田真由美)に衝突して舞台の上に倒れたり、サンボ現(竹山隆範)に刀を渡すべきところでゴボウを渡したり、紙吹雪で雪を降らせるべき場面で紙吹雪の入ったバケツ諸共に落としてしまったり。でも、それらが悉く面白かった。ことに紙吹雪の失敗ではヒロイン伊達千恵美に雪の塊を被らせた上に頭にバケツを被らせて、実にザ・ドリフターズの「8時だヨ!全員集合」を想起させた。挙句の果てに当の黒子が唐突に飛び出してきて客席に飛び込んできたのだ。観客が興奮しないはずがない。小劇場マニアの通称「牛乳おじさん」(藤井フミヤ)がこれら意表を突く不可解な「演出」の数々に衝撃を受けたのも無理はない。なにしろ「演出」ではなく失敗、事件、ハプニングだからだ。とはいえ黒子=里中ゆいかの余りにも堂々とした失敗振りが事件を表現に変えたのは間違いない。今宵の第二話には第一話以上に楽しめた。
里中ゆいかのため、下北の小劇団界における出世コースを双六のように解説した「オシャレなメガネ男子」サトシンこと佐藤新(藤ヶ谷太輔)。解説に際して下北の街を紙で作った模型を用いたところが「トリック2」の「サイトレイラー深見」後編の冒頭を想起させて楽しかった。サトシンが「本多劇場」模型の屋上に付けた数個の豆電球を点滅させていたのも傑作だった。
[主要な登場人物&出演者]●里中ゆいか(上戸彩)●あくたがわ翼(佐々木蔵之介)▲伊達千恵美(佐田真由美)・江本亜希子(山口紗弥加)・八神純一(石垣佑磨)・サンボ現(竹山隆範カンニング])・キャンディ吉田(大島美幸森三中])・寺島玲子(松永京子)・ジョー大杉(金児憲史)・佐藤新(藤ヶ谷太輔[ジャニーズJr./Kis-My-Ft2])・田所双葉(高部あい)▲里中花(木野花)・赤茶げ先生(黒沢かずこ[森三中])・ヒロ太(三宅弘城)・ケラリーノ・サンドロヴィッチケラリーノ・サンドロヴィッチ)▲里中十郎(半海一晃)・ハイロー(野添義弘)・ブイさん(堀まゆみ)・黒沼(岩尾万太郎)・三谷幸三(眼鏡太郎)・野田英夫(辻修)・マーキー(龍坐)・友香(信川清順)・千葉大学理学部長(谷津勲)▲下馬伸明(古田新太)▲代沢二朗(藤井フミヤ)▲里中富美男(北村総一朗)。