仮面ライダーカブト第二十六話

テレビ朝日系。“スーパーヒーロータイム”「仮面ライダーカブト」。主演:水嶋ヒロ佐藤祐基。第二十六話。
天道総司水嶋ヒロ)と日下部ひより里中唯)との間の愛の確認を描く一連の場が余りにも印象深かった。このところ天道総司は以前のようには無敵ではなくなっていた。圧倒的に強いわけでもなく負けないわけでもなく、しかし優しさ、情の深さを明らかにし始めていた。敢えて誤解を招きかねない語で云えば「人間的」になっていた。そのことは、鬱陶しい程に長く伸びた髪の下に覗き見える憂いに満ちた彼の表情によく表れていた。今朝の話における彼の表情は特に苦悩に満ちていたように思う。だが、そうした憂愁と苦悩の中でも、日下部ひよりを守り抜きたいという思いには一切の迷いがなかった。妹の天道樹花(奥村夏未)を守り抜きたいという思いにも。そして今や最強の盟友となった加賀美新佐藤祐基)への信頼の思いにも。
天道総司を動揺させ、徹底的に打ちのめしたのは加賀美新の父、警視総監でありZECTの長でもある加賀美陸本田博太郎)の謎めいた言だった。加賀美陸が何か重大な秘密を握っているのは今や明白だ。同じ頃、ZECT末端の隊員である加賀美新は、己の父がZECTの長官であるとも知らないまま、同僚の岬祐月(永田杏奈)と共謀してZECT本部の警備を騙して突破し、庁舎内に潜入しようとしたが、そこは本部ではなかった。ZECT幹部の三島正人(弓削智久)に見破られ、逆に騙されて別の場所に導かれていたのだ。そして組織への反逆者と認定されて処罰されかかったところをZECT田所軍団長の田所修一(山口祥行)に救出されたわけだが、ともかくもここでは神出鬼没の三島の不気味な気配が場を制圧していた。しかるにそんな三島でさえ、謎と謎かけに満ちた加賀美陸の前では頼りない若造でしかないのだ。なお、次週は影山瞬内山眞人)が何か素敵な見せ場を作りそうなので期待しよう。