大奥の天英院

NHK総合その時歴史が動いた」では江戸城大奥の存亡の危機を救った天英院こと六代将軍徳川家宣正室近衛煕子を取り上げた。天英院の偉業として紀州家の吉宗を擁立したことを挙げていたが、吉宗の将軍就任に関してはむしろ吉宗率いる紀州家側の緻密で積極的な戦略の勝利という側面が強いのではないのだろうか。一人の女性の英断が歴史を大きく動かしたと考えるのは楽しいが、余りにも単純に過ぎる見方ではある。とはいえ天英院における「公」の精神は興味深い。公家の娘には幼時からの教育の賜物か、天下の泰平への思いが強く養われていたのだろうか。天英院は藤原氏摂家の出身だし、幕末の和宮は天子の妹。