笑える恋はしたくない最終話

TBS系。12月限定。金曜ドラマ笑える恋はしたくない」。第三話=最終回。
脚本:鈴木おさむ。主題歌:FAYRAY「光」。プロデューサー:鈴木早苗。演出:平野俊一。制作:TBSテレビ。
長井鈴音(山崎静代)からの突然の愛の告白に戸惑い、謝りつつ断りながらも「好きになってくれてありがとう」と感謝を述べて去るときの赤井三太(増田貴久)の表情が断然よかった。申し訳なさのゆえに泣き出しそうになっていた目と、それでも感謝の思いから幸福感を湛えた笑顔。笑える恋ではないにせよ笑えない恋でもなく、むしろ新たな始まりを決意するための、悲しくも幸せな失恋の物語だったと云うべきだろう。
三太が鈴音を断ったのは、鈴音を拒否したのではなく、むしろそのとき既に彼自身が白井雪子(酒井若菜)に告白することを決意していたからだった。友子ママ(麻生祐未)の云う「狭い世界」の中で弱気な人々はそれぞれ己に誠実に、一所懸命に生きようとしていたのだ。
わずか三話で完結したが、大いに楽しめた。増田貴久は今夏「ダンドリ。」における鈴木カルロス三郎太に続いて今作の赤井三太でも存分に魅力を発揮した。完全DVD化を待望するのみ。
登場人物(出演者):百貨店「大山屋」エレベーターガール=長井鈴音25歳(山崎静代南海キャンディーズ])。ケーキ店「ヘブン」店長&パティシエ=戸中一平28歳(河本準一次長課長])。宅配便「しあわせ急便」アルバイト=赤井三太22歳(増田貴久[NEWS/テゴマス])。「大山屋」受付=栗栖理香23歳(夏川純)/「大山屋」新人バイヤー=緑山亮平25歳(松尾敏伸)/「ヘブン」従業員=大黒隆志25歳(桐谷健太)。スナック「つぐない」ママ=友子32歳(麻生祐未)。路上に落ちていた五百円硬貨を拾うため必死になる紳士(橋本じゅん劇団☆新感線])/赤坂テレビ制作局プロデューサー=岩城(小林すすむ)。IT企業経営者(=「大山屋」社長令息)=大山茂男(岡田義徳)/赤坂テレビ制作「おぎやはぎの史上最大の難問」司会=おぎやはぎおぎやはぎ)/「ある男」=「大山屋」エレベーターで五階へ行きたい客(山里亮太南海キャンディーズ])。「大山屋」敏腕バイヤー=魚住悟35歳(佐々木蔵之介)/「大山屋」清掃員(=「大山屋」プレジデント)=大山和代53歳(泉ピン子[特別出演])/赤坂テレビ制作局AD=白井雪子28歳(酒井若菜)。