セクシーボイスアンドロボ第三話

日本テレビ系。ドラマ「セクシーボイスアンドロボ」。第三話。
脚本:木皿泉。原作:黒田硫黄小学館イッキコミックス)。音楽:中塚武。主題歌:みつき「ひとつだけ」(ワーナーミュージック・ジャパン)。制作協力:トータルメディアコミュニケーション。プロデューサー:河野英裕&小泉守&下山潤。演出:池田健司
真境名マキ(浅丘ルリ子)が林二湖(大後寿々花)相手に述べた「自分らしく生きる」の説には心に沁みるものがあった。「自分のやりたいことをやるのが自分らしく生きるってことだと思ってるんだ?」「違うわね。全然違う」「気の進まない仕事でも、押し付けられたことでも、自分のやり方でやり通す。それが自分らしく生きるってこと」。二湖の云ったような「自分を殺すって云うか、自分がなくなるって云うか」という言でしか表現しようのない境遇に、まさしく今ある者にとって、真境名マキのあの厳しい説は逆に温かな激励として響くような心地がした。これだけでも、このドラマは傑作であり得る。
恐怖のオハグロ女だった山野月子(香椎由宇)が、オハグロ女のコスプレで試供品を無料配布する女子に笑顔で挨拶した瞬間には一寸泣けた。
恐怖体験に怯えて震えが止まらなかった林雪江(片桐はいり)や、拾った牛肉を迷わず料理してしまった「ロボ」こと須藤威一郎(松山ケンイチ)の弱さも味わい深く面白かった。