仮面ライダー電王第十八話

テレビ朝日系。「仮面ライダー電王」。主演:佐藤健。脚本:小林靖子。監督:坂本太郎。第十八話「時計じかけの婚約者(フィアンセ)」。
なぜかイマジン衆を遠ざけようとしていた野上良太郎佐藤健)。イマジンのリストラを宣言したハナ(白鳥百合子)。そうした中でモモタロス(声:関俊彦)が他のどのイマジンよりも激しく動揺し焦っていたのは、単にウラタロス(声:遊佐浩二)とキンタロス(声:てらそままさき)によって一方的にリストラ候補に挙げられてしまったからではなかった。彼は、良太郎が何を苦しみ、悩み、考えているのかを一つも相談してくれなかったことで苛立っていたのだ。自分こそが良太郎との間に最高の信頼関係を築いてきたことを確信していたのに、良太郎はどうして一人だけで悩んでいるのか?と。結局、その真相は実に些細なこと、笑い話にしかならないようなことだったが、モモタロスだけは直ぐには納得できなかった。たとえ些細な問題であれイマジンにも関係するような問題について良太郎が一人で悩み、考えて解決を図ろうとしたこと自体に納得できなかったのだ。かつて良太郎が、良太郎の利益のためとはいえ悪事を働いたモモタロスに対し反省と謝罪を(「ごめんなさいは?」と)要求したのと同じように、今度はモモタロスが、良太郎に対し、これからは一人で解決を図るのではなく、何でも仲間たちに相談して欲しいと要求した。密かに自ら進んでリストラ候補になることで他の仲間たちを救おうとしていたキンタロスやウラタロスの思いも含めて、良太郎と仲間イマジンたちの結束の堅さを描いていて実に魅力的な一話だった。
良太郎に「ごめん」と「ありがとう」を云われる前までの、モモタロスの無気力な戦いようも面白かった。「1、2、3」の次を「5」にしてしまったのも。
時空を超えて過去に飛ばされたものの目的を見失い戻ることもできず混乱していた敵イマジン(声:檜山修之)とか、フザケているのか真剣なのかも定かではない最強スポーツマンのデンライナーオーナー(石丸謙二郎)とか、笑える要素に満たされた今朝の第十八話だったが、その最後には、謎の青年、桜井侑斗(中村優一[D-BOYS])が登場した。良太郎の姉、野上愛理(松本若菜)の婚約者と同姓同名。しかし愛理と結婚する直前の今年一月に失踪した男とは別人のようだ。デンライナーの乗車券を所有し、仮面ライダーにも変身できると思しいが、一体どういうことだろうか。次週が待ち遠しい。
番組のあとには「仮面ライダーカブト劇場版」DVDディレクターズカット版の発売を告知するため、闇に生きる矢車想徳山秀典)と影山瞬内山眞人)の兄弟が登場。抽選で三十名の「兄弟」にプレゼント。「いいよなあ、どうせ俺には当らない」の決め台詞が泣かせる。