バンビーノ第十話

日本テレビ系。水曜ドラマ「バンビ〜ノ!」。第十話。
原作:せきやてつじ小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」)。脚本:岡田惠和。音楽:菅野祐悟。主題歌:嵐「We can make it!」。プロデューサー:加藤正俊&村瀬健&浅井千端(MMJ)。制作協力:MMJ。演出:佐久間紀佳
六本木のイタリア料理店「トラットリア・バッカナーレ」で少々大胆な人事異動が断行された。その背後にはどうやら店主の宍戸鉄幹(市村正親)の、この店を去りたい思いがあるようだ。彼は今、博多で小さなイタリア料理店を経営している「先輩」遠藤進(山本圭)に電話で告白したように、もう一度バンビーノからやり直してみたいらしい。それで、厨房の統括役については一番弟子の桑原敦(佐々木蔵之介)に任せ、料理を作る役については香取望(佐藤隆太)を筆頭に、日々野あすか(香里奈)と妹尾雅司(向井理)に委ね、彼等の補佐役に皆川こずえ(小松彩夏)と伴省吾(松本潤)を付けた。実際には一人分の変化に過ぎないが、役割の変更を伴い、大幅な若返りを図った格好。居酒屋で打ち合わせを行った彼等について与那嶺司(北村一輝)が巧みに形容した通り「バンビーノ大集合」の観を呈した。圧倒的な名人が新人を厳しく指導するのではなく、指導の新人たちと厨房の新人たちが互いに助け合う体制への変換。これによって料理人たち皆がそれぞれの役割を見詰め直したのも価値ある変化だったが、最も変わったのは意外にも桑原だったろうか。現場での指示にも一々冗談を交えて笑いを取っていたのだ。しかるにそれが緊張するバンビーノ衆を笑わせて場を和やかにすることにも繋がっていたのは素晴らしかった。冗談が単なる冗談には終わっていなかった。