花ざかりの君たちへイケメンパラダイス第三話

フジテレビ系。ドラマ「花ざかりの君たちへ イケメン♂パラダイス」。
原作:中条比紗也花ざかりの君たちへ」(白泉社)。脚本:武藤将吾。音楽:河野伸高見優。主題歌:大塚愛PEACH」。序曲:ORANGE RANGEイケナイ太陽」。企画:後藤博幸。プロデューサー:森安彩。制作:フジテレビ&共同テレビ。演出:都築淳一。第三話。
第一寮の北花田航平(武田航平Pure BOYS])は、今週も殆ど常に、寮長の天王寺恵(石垣佑磨)の側近として直ぐ横にいた。もちろん柔道着で。ただし髪型が少しだけ派手になっていたようだ。第三寮の寮長、オスカー・M・姫島(姜暢雄)は、下着泥棒を捕らえる罠にすべく穴を掘るとき、工事現場の人のような格好をしていた。
このドラマには、主人公と片想いの相手との間の、暗く重く真面目な話と、他の寮生たちの繰り広げる明るく軽くフザケた話とが主な要素として含まれている。しかるに正直なところ前者には少々救い難い面がある。それをどんなに真面目に描いても、否、真面目に描けば描く程、その根本の、エゴイスティクで傲慢で淫乱な主人公の行動に対する不快感が拭えなくなるからだ。一人の女子が己の性別を偽って全寮制の男子校に住み込んでしまうというのは本来なら強烈な嫌悪感を催す程フシダラな話でしかないわけで、それを自然なものとして描こうとするなら、明るく楽しく描いて笑い飛ばす以外にはないのではないかと思われるのだ。もっと喜劇性に徹したとしても、そこに悲劇的な要素をも含めることは充分できるはずだろう。