受験の神様第四話

日本テレビ系。土曜ドラマ「受験の神様」。
脚本:福間正浩。音楽:池頼広。主題歌:TOKIO「本日、未熟者」[作詞&作曲:中島みゆき]。プロデューサー:西憲彦(日本テレビ)&鈴木聡(ケイファクトリー)&渡邉浩仁(日テレアックスオン)。製作協力:日テレアックスオン。演出:岩本仁志。第四話。
菅原道子(成海璃子)が門下の生徒たちを集めて夏期合宿を挙行した。そこでの過酷な課題に取り組んでゆく中で梅沢広(長島弘宜)は西園寺義継(森本龍太郎)と手塚恵美(小薗江愛理)との協力関係を結び得た。夜の山の中、下山する過程で道に迷いながらも、前日の昼の登山の際に感じた陽射の方角を想起した上で、星空の動きを見て下山すべき方角を見定め、空が曇れば木の切り株を見てさらに方角を確かめ、そうして闇の中、草叢を歩き続けるというのは並大抵ではない冒険だが、三人は互いに記憶と知恵を出し合い、励まし合い、助け合って前進したのだ。
日の出までに下山せよ!とのこの課題は、それに合格し得なかった者を破門するという条件を伴っていたから、彼等三人は、山から生還することに加えて門下に留まることをも賭けて、云わば二重の意味での生き残りをかけて闘っているはずだったが、実際には彼等は、門下に留まるための条件を、全く知らされていなかった。日の出までに下山しなければ破門するとの触書を、彼等に見せないように勝手に破棄した者がいたからだ。その犯人は、梅沢広にも親しく接していた福本亜紀(福地亜紗美)の友人だったが、さて、犯行の狙いは何だったのか。恐らく根本的にはライヴァルを蹴落としておきたかったということがあるだろう。ことによると成績に関して伸び悩んでいて、何としても破門を免れたかったのかもしれない。そうした中で誰かを蹴落としておくべしと考えたとき、己の仲間である福本亜紀に馴れ馴れしく接してきた梅沢広を標的にしたわけなのだろう。あの少女が梅沢広を狙ったのは、己の視界に入って目障りだったことに加えて、受験勉強の只中にも恋をしてしまう彼の精神を「隙アリ!」と見たからでもあるだろうし、またそうした彼の精神の余裕に嫉妬し、憎しみを抱いたということもあったかもしれない。
他方、梅沢勇(山口達也TOKIO])は磯部豊(前田吟)に謝罪して誠意を見せ、同時に手塚由美(須藤理彩)とも和解することを得たが、気になるのは磯辺豊を騙そうとした梅沢勇の同僚二名はどうなったのか?という点だ。梅沢勇一人に責任を取らせて、誰からも何も咎められることもないまま過ごしているのだろうか。