月九ファーストキス第六話

フジテレビ系。月九ドラマ「ファースト・キス」。
脚本:井上由美子。主題歌:小田和正「こころ」(BMG JAPAN)。音楽:本間勇輔。主演:井上真央。プロデュース:若松央樹鹿内植。制作:フジテレビドラマ制作センター。演出:武内英樹。第六話。
何時になく緊張度の高い展開だったのは、一つには無論、台風が接近しつつあるという非常事態の設定において、登場人物が皆それぞれ普段とは全く異なる真剣な行動を強いられていたということがあるだろう。しかるにそれに加えて、二階堂勝(阿部サダヲ)が既に福永美緒(井上真央)の病の重さを認識し、これまでとは違った眼で美緒と加納和樹(伊藤英明)とを見詰め始めたことに因る空気の変化もあるだろう。
そうした中で加納和樹の、極限状態にあってさえも決して揺らぐことのない熱血の責任感と行動性が、手に汗握るような興奮度の高さにおいて発揮され、同時に、結城秋生(平岡祐太)の秘めていた熱い情が、同じ極限状態において、専門職業人としての医師の責任の限度を逸脱するような格好で顕現するに至った。しかも二つの熱情が同時進行で対比をなすように描かれたことがドラマ自体をも何時になく熱くしたのだ。