仮面ライダー電王第二十九話

テレビ朝日系。「仮面ライダー電王」。主演:佐藤健。脚本:小林靖子。監督:田村直己。第二十九話「ラッキー・ホラー・ショー」。
野上愛理(松本若菜)の喫茶店ミルクディッパーのある商店街の「中野ふれあい町内会」が「肝試し大会」を開催。場所は廃校。町内会長の下山(佐藤正宏)の発案によるもので、その裏には、廃校で下山を殺害して遺体を隠した…と思い込んで逃亡中の町田(菅原卓磨)を誘き寄せて、実は死んではいないという真相を明かして精神を解放してやりたいという思いがあった。とはいえ「肝試し大会」の優勝者には賞金三万円のほか「商店街のアイドル=ミルクディッパーの愛理さんとお茶する券」を贈呈すると宣言したことで参加者が殺到。野上良太郎佐藤健)はイマジン結束を図るためだったが、賞金狙いの面もあったろうか。尾崎正義(永田彬[RUN&GUN])と三浦イッセー(上野亮)はもちろん愛理とのデート権を狙って。気合を入れ過ぎて熱中症にかかる程。デネブ(声:大塚芳忠)が参加したのは桜井侑斗(中村優一)のため愛理とのデート権を贈りたかったから。
ゆえにデネブはその夜、侑斗の近くにはいなかった。侑斗には内緒で参加したので、行き先も告げてはいなかったが、夕食だけは予め拵えておいた。短い置手紙を副えて。侑斗はそれをどこかのビルの屋上で食っていた。色々な料理の入った小さな二段の重箱と、巨大オニギリ三個の包み。「おにぎりデカッ!」と云いつつ、それを頬張る姿が面白かった。それにしても彼は何時も野外で生活している。昼間は炎天下の公園で、木蔭に座り込んで涼みながらも余りの熱さに倒れそうになっていた。
肝試し大会の場内、デネブはイマジンには強いのにオバケには臆病で、夜の闇の中、良太郎がイマジンと戦い始めたのに驚いたのと同時に、廃校の廊下に置かれた人形に怯えて悲鳴を上げてしまったが、それを察知した侑斗はそれをイマジン相手の危機と認識し、仮面ライダーゼロノスに変身して駆け付けた。しかしデネブは人形に怯えていただけ。イマジンの事件は良太郎によって解決されていた。無駄な変身になってしまったのだ。変身に用いるカードは残り一枚のみ。商店街へ戻る町内会のバスに同乗させてもらった侑斗は、一枚だけのカードを見詰めて悔しそうに悲しそうにしていた。それをバスの外から見詰め、どこかへ去ってゆくデネブ。