新番組=ジョシデカ

今宵からの新番組。
TBS系。「ジョシデカ!-女子刑事-」。
脚本:秦建日子。主題歌:AquaTimez「小さな掌」。プロデュース:鈴木早苗武藤淳。演出:平野俊一。第一話。
一見TBS月曜八時にでも放送するような一話完結式の平和な刑事ドラマかと見せかけて、第一話の最後に禍々しい被害者の姿を画面に映し出したことで逆に、決して平和なドラマではないのみか一話完結でさえなく、恐らくは二〇〇六年フジテレビ系「アンフェア」のように正体不明の犯罪者による不気味な連続殺人を延々展開してゆくだろうことを予想させた。
とはいえ、そうしたことを抜きにしても、一見あたかも平和な刑事ドラマであるかのように見える要素の中にも案外かなり恐ろしい性質が混じっていることを見逃してはならないように思う。注意すべきは、主人公=畑山来実(仲間由紀恵)の暴走行為に対する警視庁本庁の処分。警察によって不当にも容疑をかけられた前科者の村上(いしだ壱成)が、そのことのゆえに却って自暴自棄に化して凶悪犯罪に走ろうとしていたのを止めた畑山は、彼の手に持つ刃物を弾き飛ばすための手段として拳銃を用いたことを警視庁本庁によって問題視されながらも、結果として犯罪を未然に防ぎ得たのみか、不適切な捜査によって誤認逮捕しかけた挙句その無実の者を殺人に走らせかけ、深刻な被害まで発生させつつあった警察側の不祥事をも防いで、揉み消し得たことで処分を免れ得た。だが、これは不祥事の隠蔽でしかない。しかも二重の意味において。長閑な外観に誤魔化されるままに本質の気持ち悪さを見落としてしまっていてはならないのだろうと思われた瞬間だった。